Hi.How'er you doing?
司馬遼太郎先生の著作「竜馬がゆく」を通して、感銘を受けた坂本龍馬の生き方。
心に残った場面を書きます。
新装版竜馬がゆく(1)108頁より
-千葉道場から藩邸に帰ろうとする竜馬。そこで何やら市中がさわがしいことに気付く。原因がわからないまま、大変だから大変だと騒ぐ江戸者の愛嬌をおかしがりつつ、原因はわからぬまま藩邸についた。既に武市半平太は桃井道場から部屋に戻っていた。
「武市さん、なにやら大変らしいなあ」
「ああ」
武市は相変わらず、落ち着いた男なのである。
「一体、どう大変なのだ」
「知らないで君は騒いでいるのか」
武市は、竜馬をあわれむようにみて、
「黒船がきたのだ」
スラリと刀をぬき、ほたほたと打粉をうちはじめた。
訳もわからず大変だと騒ぐ江戸の街を、竜馬は愛嬌と捉えていて、武市半平太は冷静にあわれむようにみている、というのが面白い。
ひとつの事実があって、真実は人それぞれちがうとおもうからだ。
この、打粉をうつ武市半平太。
刀に打粉を打つという行為が、武士の嗜みという感じがあって、その姿を想像しただけで良いなぁと思う。
とても、趣を感じる一幕に思う。