10月。
秋のこの時期となると、新人戦が開催される。
我が少年野球も、長野市で開催された新人戦に参加してきた。
この新人戦に臨むにあたり、大きなアクシデントがあった。
5年生の中心選手である子が、学校行事で負傷してしまい、出場ができなくなった。
10人というギリギリの人数になり、キャッチャーができる子がいない。
キャッチャー未経験の子が少しの練習時間。
守備陣は4年と3年で固めざるを得ない布陣。
ひとつでも勝てれば、来年に繋がる自信が持てるのではないか。負けたとしても良い経験と捉えてくれたら。
そんな気持ちで大会に臨んだ。
フタを開けると、そんな不安を打ち消すがごとく、みんな凄い活躍を見せた。
初戦は先攻でゲームがはじまる。
緊張もあった中ではあるけど、初回からランナーを出し、タイムリーも出る滑り出し。
守備でも1試合を通じて外野フライの落球がひとつあっただけで、しっかりと守っていた。
息子に至っては、サードで公式戦初出場。
初打席は硬くなって見逃し三振していたものの、守備でアウトを重ねて硬さもとれていた。
7-2で完勝。あまりの試合運びの良さに、ビックリした。
2回戦も引き続き行われた。
選手の数が倍くらいのチームだったので、昨今の少年野球事情を考えると羨ましく感じた。
試合展開は守備の差が出た。
こちらはノーエラーで安定した試合運びが出来たのに対して、相手チームは大事なところでエラーが出てしまっていた。
四球やタイムリーエラーで、どんどん加点。
終わってみれば13-1という、大差での勝利となった。
1日目で姿を消すと思われた新チーム。まさかの2連勝で、翌日の準決勝に進んだ。
対戦相手の偵察に行ったところ、チーム力は明らかに上位。苦戦が予想されたけど、強いチームとの対戦こそが、良い経験になると思っている。
日が明けて、大会二日目。
準決勝の相手は、こちらと同じ10人。
5年生が多めで、動きも良い。
強敵である。
試合が始まると、これまた想定外の展開となった。
出塁されると3盗までされてしまう苦しい展開ながらも、守備が締まってくれていた。
試合はお互いに足攻を絡めてタイムリーが出たりと、シーソーゲームとなる締まった展開。最終回の5回まで戦って、3ー3の同点だった。
新人戦のルールで、延長戦は無く抽選での勝敗となった。
結果は残念ながら、抽選で負けてしまった。
よっぽど悔しかったのか、泣いている子も何人かいた。
気持ちはよく分かる。負けて悔しくない人なんて、どこにもいない。
勝ちたいという気持ちが出ていることが嬉しかった。
気を取り直して3位決定戦に回る。
試合は、終始優位に展開された。
先制ー中押しーダメ押しという理想的な試合運びを見せた。
守備は相変わらず要所を締めて、エラーも1個のみに留まる。
息子は、右中間真っ二つのタイムリーを打ってくれた。
ライナーで飛んでいく打球は、わたしにとても強い感動を与えてくれた。
5ー1で勝利して、新人戦は3勝1分けという、まさかの、本当にまさかと言える結果で終わった。
抽選で我がチームに勝った対戦相手は、決勝では5ー4で勝ち、優勝を収めた。
今回の大会を通じて、子ども達に伝えた事がある。
試合を通じて、いいプレーはあったけど、ミラクルを起こすファインプレーはない。でも、勝てた。
練習でできていた事を試合でできたから、勝てたんだと思う。
だから、普段の練習でできる事を増やしていけば、もっと上手くなれるし、強くなる。
わたしは今年の1月からコーチになった。
経験も実績も無いので、自分の練習プランや、指導法について自信がない面があった。
これまでは自分が一から教えていった子ども達が勝っていたのでは無く、引き継いで教えていたから。昨年の財産があって、それを伸ばしてあげる。試行錯誤はしたけれど、その成果はわたしの指導がどんな影響を与えているか未知数だった。
今回の新人戦での結果は、わたし自身にとっても凄く励みになる結果だった。
勝つことが全てではないけれど、結果が伴うと活気や勢いが出る。
きっとみんな、更に野球が好きになったはず。
これを励みにして、もっともっと勉強して、一歩づつ成長を促してあげたい。